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子どもにおすすめのスポーツ

子どもにおすすめのスポーツ

こんな親・保護者にお薦めの記事です。

  • 子どもにスポーツはして欲しいけれど、特定のスポーツに興味を示さない
  • 複数のスポーツをして欲しい・他のスポーツを加えたいが、どんな組み合わせが良いか分からない

↑のような悩み・疑問を解決する一助になるであろう、Project Playが全米♯1の整形外科病院HSSと協力して開発したHealthy Sports Indexというツールを紹介します。

子どもにおすすめのスポーツ

「子どもにお薦めのスポーツは何ですか」「どのスポーツとの組み合わせがお薦めですか」といった質問を受ける事があります。僕の答えは一貫して、「その子が好きなスポーツ・興味を示したスポーツ」です。しかし、それがハッキリしないからこそ生まれる質問・疑問でもあります。
子どもが「このスポーツをしたい」とならずに親が提案する場合は、スポーツを通して何を育んで欲しいのか・その子どもにとって何が優先事項なのかによって、選ぶスポーツは変わってくるでしょう。今記事で紹介するツールが、スポーツを選ぶプロセスの一助となればと思います。

(ツールを使って出てきたスポーツが子供の関心と合わない場合は、子供の関心を優先してあげてください。繰り返しますが、その子供が興味を示したスポーツよりもお薦めできるスポーツはありません。)

Healthy Sport Indexとは

Project PlayとHSSが共同開発した、それぞれのスポーツに参加する利益とリスクを相対的に評価する事ができるシステムです。特筆すべきは、個人個人の価値観によって基準を変える事ができる点です。英語ですが、図に日本語訳を付けたので確認しながらチェックしてみてください。
https://healthysportindex.com/

Healthy Sport Indexの使い方

身体活動・安全・心理社会の3面における強調度を設定

右に行くほど強調度が強くなります。肥満防止・解消のために運動量に焦点を当てたい場合はPhysical Activity(身体活動面)を、他の子供との関わりを特に学んでほしい場合はPsychosocial(心理社会面)を強調、という形で設定します。全ての面をバランスよく強調した場合(デフォルト)が下の写真になります。

10のスポーツが提案

強調度の設定に基づいて、男の子・女の子向けに10のスポーツが提案されます。デフォルトの強調度設定では、男の子はクロスカントリー、女の子は水泳が1番に提案されました。

強調度を変更してみると

設定に対応してチャートが変化するのが確認できます。社会心理面を最も強く、身体活動面・安全面を低めに調整してみた結果がこちらです。

提案されるスポーツが男の子はクロスカントリーがサッカーに、女の子はスイミングがバスケットボールに変わりました。

スポーツ別の詳細情報を確認

提案されたスポーツのより詳しい情報を確認する事ができます。女の子のスポーツで1番に提案されたバスケットボールを見てみましょう。

身体活動面の詳細情報

選んだスポーツにおける身体活動面の特性がチャートで説明されます。もちろん、同じ競技でもコーチや選手によってこの割合は変わってきますが、スポーツそのものを理解する材料になります。

安全面の詳細情報

下記記載のデータ(高校生)に基づいた、それぞれのスポーツにおける安全面を怪我全般・重度の怪我・手術が必要な怪我・脳震盪の発生率が示されます。年齢による違いはありますが、安全面からそのスポーツを理解する材料になります。

2 Injury rate per 10,000 exposures, National High School Sports-Related Injury Surveillance Study, 2016-17.
3 Percentage of all injuries resulting in greater than three weeks of time loss from the sport, National High School Sports-Related Injury Surveillance Study, 2016-17.
4 Non-fatal catastrophic injury/illness rate per 100,000 exposures, National Center for Catastrophic Sport Injury Research, 1982-2016.
5 Percentage of all injuries requiring surgery, National High School Sports-Related Injury Surveillance Study, 2016-17.
6 Concussion rate per 10,000 exposures, National High School Sports-Related Injury Surveillance Study, 2016-17.

心理社会面の詳細情報

Aspen Instituteが実施した4段階のアンケート調査に基づいた、それぞれのスポーツにおける心理社会面の影響を確認する事ができます。

比較ツール

上記の3つの面において、他のスポーツと比較する事ができます。女の子におけるバスケットボールを、サッカー・陸上と比較したのが下の図です。

補完的スポーツの提案

最後に、提案されたスポーツを選んだ場合に組み合わせると良いスポーツが、スキル面と健康面から提案されます。「今バスケットをやっているんだけれど、加えるとしたらどんなスポーツが良いのだろう」という疑問の解決にも役に立つでしょう。

さらに、そのスポーツ経験をより活動的・安全にするためのアドバイスが提案されます。(”Practice”は「練習」の意ではありません。「実践」と理解してください)

最後に

Healthy Sport Indexとその使い方を紹介しました。国の違い、年齢の違い、環境の違い、そして何より個人間の違いを考慮して、ツールの一つとして参考にしていただけたらなと思います。何よりも大切なのは、「その子ども」の興味関心と健康です

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