コーチ・アスリートの声

「試合に出れない子ども」がいること自体おかしいんだよ by三浦優希さん(アイスホッケー日本代表)

アスリートにこそ、ユーススポーツが抱える問題に声を上げてほしいと常々思っています。今回紹介する、アイスホッケー日本代表の三浦優希さんの上記タイトルでの投稿は、一人でも多くの親・保護者、そして子供たちに読んで欲しい文章です。↓に要点を書きますが、是非下記リンクから彼のnoteを読んでください。

https://note.com/yukimiura36/n/nb0bffc7301b7

きっかけは試合に出れない子を持つ保護者のツイート

先日の試合。朝から「今日はずっとベンチだー。」「ベンチ、頑張るわ・・」と息子。案の定、1日目は1分も出られず、ずっとベンチ。2日目は得点差がついたため、その試合のハーフだけ出場。帰りの車で、「お母さんは試合に出れない子の親で不幸だね」と落ち込む息子。思わず泣きそうになった。なんでこんな思いまでさせてまでこのチームにいるのかな。「サッカー、好き?」と聞くと「好き!」と即答の息子。よかった、サッカー嫌いになってなくて。今晩もボールタッチとトラップ自主練頑張っていました。上手いよ!頑張ってるね!

僕自身は中学・高校と全然試合に出れなくて苦しい思いをしました。「もしかしたら出番があるかも」とエネルギーゼリーを買っては帰り道で飲んでいた記憶が蘇ります。それと同じような状況を小学生が経験していると思うと、見ず知らずのこの親子の会話にやりきれない気持ちになります。

以下、僕が特に大切だと思った部分です。これらのポイントが理路整然、かつ熱意を持って記されています。繰り返しになりますが、是非本文を読んでください。

  • 試合に出れない子どもたちがいる」ことは当たり前ではない
  • 「ベンチでもチームのためにできることがある」等の考え=試合に出れない子どもたちが存在することを肯定化する大人のエゴ
  • ユーススポーツと競技スポーツは全くの別
  • 絶対に子どもたちに言わせてはいけない「今日もベンチ頑張るわ・・・」
  • ユース年代においてそこまで勝利にこだわる必要はない
  • ユース年代のコーチへの評価は「チーム全員を試合に出場させるコーチ」>「チームを勝利に導くコーチ」であってほしい
  • 親・保護者は、自分の子だけでなく、全ての子どもたちがなぜチームに所属しているのか、なぜこのスポーツを続けているのかの意味を考えるべき
  • 「試合を当事者として楽しむ権利」は上手い下手に関わらず、全ての子に平等に与えられるはず(上手な子を持つ保護者は、他の子の事も考える)
  • 双方にメリットがない完全な実力差のあるチーム間での試合
  • 皆が自分のレベルにあった場所でプレイできる環境づくりの必要性
  • 参加した海外のトーナメントでは「勝ち上がる」より「試合数をこなす」ことにフォーカスが置かれていた

https://note.com/yukimiura36/n/nb0bffc7301b7

一人でも多くの親・保護者・そして子どもが読んで、「当たり前じゃないんだ」と考えるきっかけになってほしいです。そして、一人でも多くのアスリートが、三浦さんの文章を読み、この問題について声を上げることを願います。大人が作りあげてしまったこの風潮・文化に風穴を開ける上で一番の影響力を持っているのは、無力な子どもでも、親・保護者でも、指導者でも、僕のようなトレーナーでもなく、アスリートです。