Don't Retire, Kid

子供がスポーツを辞めたいと言ったら

子供が「(特定のスポーツを)辞めたい」と言った時、親としてどう対処するべきでしょうか。「辞めたいのならば辞めさせてあげよう」「他の事でも辞め癖がついたらどうしよう」「やり抜く力を育てたい」などなど、色々な考えが頭に浮かぶと思います。

このトピックについて、僕自身が5年間仕事で深い関わりを持っていたCleveland ClinicのHP上の記事を紹介していただいたので、要点をまとめます(青字は僕自身の考えです)。
(元記事:What to Do When Your Child Want to Quit Sports ~Understanding the “why” can help guide the decision
題名訳:子供がスポーツを辞めたい時、どうするか。~”なぜ”を理解する事が決断を導く助けになる~

スポーツを辞める子供が急増している

National Alliance for Youth Sportsによると、毎年2000万人の子供達がユーススポーツに登録をしているが、その7割が13歳までにスポーツを辞め、二度とプレーしていません。これはProject PlayのDon’t Retire, Kids(子供がスポーツから引退していく)でも同様のデータが提示されています。

子供がスポーツを辞める理由

子供がスポーツを辞める理由のトップ3は以下の通りです。

  1. コーチや親からの非現実的な期待
  2. 楽しくなくなった
  3. 他の子供・アスリートに敵わない

他には、チームメイトからの冷やかし、他の事への興味関心、時間の制限などが挙げられています。記事内では、幼い子供には、特定のスポーツをする為に必要な注意持続時間がまだ備わっていない事がある、とも指摘しています。

ユーススポーツを辞める=後の人生で辞める癖がつく?

子供が「辞めたい」と言った時に親が考える事として、「他の事に対しても”辞め癖”がついてしまうのではないか」という心配があると思います。僕自身も経験があります。

この点において、Cleveland Clinicの小児精神科医のJoseph Austerman氏は、そのような関連をサポートする証拠は、ほとんど無いと記事内で述べています。

(関連を否定する証拠がある、と同義ではありません。僕自身を含め、親としてはとても気になる事だと思うので、研究報告などを引き続き探してみようと思います。)

スポーツを続けるメリット

スポーツに参加している子供は、学校からドロップアウトしにくく、学業やふるまい、態度も良い傾向があるという研究報告が記事内で紹介されています。

このような報告があると、親としては子供にスポーツを続けて欲しいと思う気持ちはより強くなります。学校からドロップアウト、というのは日本では馴染みが薄いかもしれませんが、自己肯定感の向上を含めたスポーツのポジティブな影響は、国や文化によって違った形で現れると思います。しかし、上記を理由にスポーツを辞めたがっている子供に継続を強要してしまっては本末転倒です。

辞めたいと言っている子供にどう接するか

まず、スポーツを始める前に

その子供が本当に好きな事は何か、得意な事は何か、またそのスポーツに参加する事によってかかる時間や、親としての期待(簡単に投げ出さない、など)を参加を決める前に子供と話し、準備をさせておくことが大事だと説明しています。

この話し合いの目的は、辞めさせないための言質を取る事ではありませんし、子供相手にそれをしてはいけません。契約ではないのですから。子供の意思決定を尊重して、自分の選択に責任を持つことを学ぶプロセスだと思います。

実際に辞めたい、となった時は

もし自分の子供が既に辞めたいという状況にあるのであれば、最初にするべき事は辞めたいという思う気持ちの裏に何があるかを探る事、つまりそのスポーツへの楽しみに何が変わったのか、何がプレーから離れたいと子供に思わせているのかを知る事だといいます。

スポーツ参加時の他人からの冷やかしや、恥をかかされる事は、そのスポーツを愛する気持ちが辞めたいと思う気持ちへと変わるきっかけになる大きな理由の一つだと前出のDr. Austermanはいいます。ここでいう他人とは、チームメイトだけではないでしょう。コーチ、親・保護者も含まれている事を理解する必要があります。

問題の解決・改善を一緒に試みる

辞めたいと思う理由の大まかな姿が見えたら、「じゃあ辞めよう」や「そんなの気にするな」ではなく、どうやったらその問題を解決できるか、改善できるかというプロセスを子供と一緒に始めるのが次のステップです。

このステップの土台となるのが、スポーツを始める前の子供との話し合いだと思います。「もともとやりたくなかった」「(親が)やれって言ったじゃん」では話になりません。また、「自分がやるって言っただろう」というアプローチは避けるべきです。

この問題解決を試みるプロセスを経た後に、継続をするか、辞めるかを決断します。このようなステップを踏めば、スポーツを辞めたとしても、問題解決を目指した一連の経験がその子供にとって大きな+になるのではないでしょうか。

最後に

子供がスポーツをしたい、辞めたいと思う両方において、子供のモチベーションを理解し、一緒に考える事が大切です。はじめる時には子供にも責任感が芽生えるようにし、辞める時にも問題解決のプロセスを踏んだ上で決断する。そして、「特定のスポーツや習い事を辞める事=失敗」という捉え方を大人がしない事はもちろん、そうでない事を子供にしっかり伝える事を覚えておきましょう。