はじめに
自分の子供に何をさせたくて、何をさせたくないか。親・保護者の教育理念や価値観は、子供の行動選択において非常に強い影響を持ちます。だからこそ、自分の子供が何をしたくて、何をしたくないかを聞き、判断過程に取り入れてあげる事が大切です。
Project Playが設定した8つの障壁。その1つ目が、Youth Sport is Organized By Adult(大人によってコントロールされたユーススポーツです)。そしてそれに対する戦略が、Ask Kids What They Want (何を求めているかを、子供に聞く)です。
下の動画は、NBAのスーパースター、Kobe Bryantによる、子供達に選択させ、自由に想像・想像力を育ませる事の大切さを訴えたメッセージです。
動画和訳
Play #1-Ask kids what they want. My advice to parents and caregivers.
子供達に、「何をしたいのか」を聞く事。私からの親・保護者へのアドバイスです。
I think the most important thing for parents is establishing an element of fun and imagination.
親として一番大切なのは、楽しさと想像力の要素を確立する事です。
I think that’s really key at early age is important for kids have freedom and have flexibility to create and to imagine and for the game to be fun while teaching fundamentals of the sport, I think it’s hard to find that blend but t’s extremely important.
幼少期のカギは、そのスポーツの基礎を教えながらも、子供達が創造・想像し、スポーツが楽しくある自由と柔軟性を持たせる事です。この調合具合を見つけるのは難しいですが、非常に大切な事です。
補足情報
子供達がスポーツに参加する理由
ジョージワシントン大学の研究によると10人中9人が「楽しい」を理由に挙げています。興味深い事に、「楽しい」の定義を聞くと、なんと81通りの答えが返ってきています。
トップ6は、
- Trying your best(全力を尽くすこと)
- When coach treats player with respect(コーチが選手に敬意を持って接する時)
- Getting playing time(プレータイムの獲得)
- Playing well together as a team(チームとして上手くプレーする)
- Getting along with your teammates(チームメイトと仲良くなる)
- Exercising and being active(活動的に身体を動かす)
他にも、
- コーチから褒められる
- チームメイトをサポートする
- 新しい技術を学ぶ
- スポーツキャンプに参加する
- 保護者の支持的な態度
- 良いフィールドでプレーする
- ハイファイブ
- カッコいいスポーツギアを身に着ける事
- 試合の後にお菓子を食べる事
- 勝つこと
など、子供らしい答えを含めた非常にバリエーションに富んだものとなっています。
さて、例の最後に挙げた「勝つこと」。これは子供達の楽しさにとって、どのような位置づけなのでしょうか。
子供にとって、楽しさにおける「勝つこと」の優先順位は81の理由中48位
子供達の楽しさにとって、勝つことはそれほど重要な位置を占めていないという結果が同研究で報告されています。また女の子に限ると、81の理由中で最下位となります。子供にとってはそこまで重要ではない勝ち負けを気にしているのは、大人ではありませんか?
Project Playのページにも、“Ten minutes after the final whistle, kids have moved on; often it’s dad and mom who still want to talk about the game at diner (試合終了の10分後には、子供達の興味は他に移っている。夕食の席でその試合についてまだ話たがるのは、たいてい保護者である)”という記述があります。このズレが、子供のスポーツに対する関心を失わせる理由の一つとも考えられています。
補足情報まとめ
子供がスポーツをする大きな理由は、楽しいからです。自分の子供が「何に」楽しさを感じるのか、聞いてみては如何でしょう?
ちなみに上記研究結果の81位(最下位)は「写真を撮られる」でした。子供のスポーツイベントでは、スマホを構えて写真を撮るのはほどほどにして温かくサポートし、試合の後は子供が自分から結果や内容を話題にしないのであれば、そのままにしておいて、子供達の楽しさをそっとしておいてあげるのが大切だと思います。
(原文/情報元:http://youthreport.projectplay.us/the-8-plays/ask-kids-what-they-want)