先日のNFLカンファレンス決勝を制し、来月行われる決勝戦（スーパーボール）で自身7度目のNFL制覇を狙うTom Brady。彼はベースボール・バスケットボール・サッカーなど複数のスポーツをプレーして育ち、フットボールを本格的に始めた高校一年時は0勝8敗のチームでもベンチだったという「マルチスポーツ+遅咲き」のアスリートだったようです。
そのような背景もあり、彼は勝利至上主義・早期競技特化への懸念を公にしています。今回はスポーツラジオWEEIでの発言を和訳しました。読み・分かり易いように意訳も含みます。(彼の事を知らない人は、まず↓のハイライト動画をご覧になってください。）
キーワード
この短いコメントの中にスポーツの枠を超えた大切なエッセンスが複数含まれています（本文中でも太字にしています）。
- 地域ベース
- 異なる事・異なるスポーツ
- ただ遊んでいた
- 遅咲きであって欲しいと願う
- 子供たちの競争が、早すぎる時期から始まっている
- より多くのことに触れることで、子供たちは自分が人生を通して本当にやりたいことに出会える機会が増える
本文
私が自分自身のユーススポーツで覚えている事は、全てが地域ベースだったことです。遠征に行くようなトラベルチームはごく少数で、そのようなチームに入るにはトップ中のトップである必要でした。私の両親はいつも、(3人の姉を含む)私たちに異なる事・異なるスポーツに触れさせてくれました。バスケットボールのシーズンにはバスケットボールを、ベースボールのシーズンにはベースボールを。沢山のサッカーも。アメフトは、高校一年までプレーしませんでした。それ以外は、いくつかのキャンプ（短期のスポーツ教室のようなもの）に参加しました。近所の子供たちと道路でただ遊んでいたものです。
それが今では違ってきている事を、息子・娘たちと共に経験しています。（大人が）子供たちを入れている、大人によって管理された活動のことです。コメントをするようになって久しいですが、私は自分の子供たちが、何をするにしても遅咲きであって欲しいと願っています。早すぎ・やり過ぎでは、年を重ねた時の彼らのモチベーションがどうなるか、また、彼らが何かを長くやり過ぎてきた、過度に激しく・集中し過ぎてきたと感じてしまう事が心配だからです。これらは若い子供・10代の子たちを摩耗させてしまうと思います。全ての親が（早すぎ・やり過ぎを）しているように感じるので、（その流れに乗らないことは）難しいことです。大学に入るため、正しい高校・小学校に入るためにせよ、子供たちの競争が、早すぎる時期から始まっているように感じます。
どのようにして変わってしまったか分かりませんが、時に子供はただ子供でいることが大切です。少なくとも、私は自分がそうだったことを覚えています。それ（ただ子供でいること）が、子供にとって人間性の様々な面を成長させる素晴らしい機会だったと思います。その中で、私は大好きな事を見つけました。より多くのことに触れることで、子供たちは自分が人生を通して本当にやりたいことに出会える機会が増えるのだと思います。
“What I remember from being in youth sports, everything was really localized. There was no travel teams. Well, there was a couple, but you really had to be the top, top kid to go on those teams. My parents always exposed us to different things, different sports. It was basketball when it was basketball season, it was baseball when it was baseball season. I didn’t play football ’til I was a freshman in high school. A lot of soccer. And there were just some camps. But I just played in the neighborhood in our street with all the kids that we grew up with.
“It’s just different now, experiencing it with my own kids. All the organized activities that you put them in. I made a comment for a while now, I hope my kids are late bloomers in whatever they do because they’re going to be exposed to so much at such an early time that, yeah, you do worry about what their motivation may be as they get older or if they feel like they’ve been in something for so long and it’s been hyper-intense and hyper-focused for so long, I think that can wear out a young individual, a young teenager. It’s just hard, because all the parents are doing it, it seems. The competition, it feels like it starts so early for these kids, whether it’s to get into college, or to get into the right high school, or the right elementary school.
“I don’t know how it’s taken a turn, but sometimes it’s nice just for kids to be kids. At least that’s just from what I remember when I was growing up. I think that was a great opportunity for the kids to develop lots of parts of their personality. And certainly for me that’s what I found, ultimately I found something that I loved to do at a young age. The more you’re exposed to, I think the better opportunity is for all kids to figure out what they really want to do in life.”
ソース：https://ftw.usatoday.com/2015/10/tom-brady-says-kids-shouldnt-specialize-in-one-sport
