子どもに運動・スポーツをして欲しいけれども、本人が興味を示さない。
そんな悩みを持つ親・保護者が自分を省みる材料となる「スポーツをしていない6-12歳の子どもを持つ親のチェックリスト」を紹介します。10項目中、幾つ当てはまるかを数えてみてください。
原文:https://www.aspenprojectplay.org/projectplayparentchecklists
まず、スポーツが子どもにもたらす恩恵をさっと復習します。
スポーツが子どもにもたらす恩恵
アクティブな子どもは、より良い人生を歩む
”Active Kids Do Better in Life(活動的な子どもは、より良い人生を過ごす)”と題された上記の図(https://www.aspenprojectplay.org/youth-sports-factsより)には、活動的である事のメリットとして以下の点がまとめられています。
- 肥満のリスクが1/10に
- 学業面でのテストスコア~40%↑*
- 喫煙・薬物・高リスクの性行為などのリスク↓*
- 大学進学率15%↑*
- 年収7-8%↑*
- 健康維持費↓
- 仕事での生産性↑*
- 心臓疾患・脳卒中・ガン・糖尿病のリスク↓
- 老後に障害を抱える率が1/3に
また、運動習慣のある母親の子どもは活動的である傾向がある(2倍!)とい記述に、親から始めようというメッセージも込められています。同時に、運動不足の子ども達が運動をしない親になると、、、という負の連鎖も示唆しています。
社会・情緒・認知・精神衛生面でのメリット
研究による裏付け
上記のリストで*をつけたのは、身体面以外のメリットです。2018年に発表されたBidzan-Blumaらによるシステマティックレビューはキーワードから選ばれた617件の研究論文の内、厳格な基準に沿って絞った58件を分析・統合した上で”Results suggest that engaging in sports in late childhood positively influences cognitive and emotional functions. (幼少期後半にスポーツに参加する事は、認知と情緒面においてポジティブな影響を与える)と結論付けられています。具体的にはattention(注意), thinking(思考), language(言語), learning(学習), memory(記憶)の5つのエリアにおいてです。
記事全文は↓から。
では、上記の恩恵をスポーツをしていない子どもが受けるようになるにはどうしたら良いでしょうか?そのための最初の一歩となり得る、チェックリストを紹介します。
チェックリスト10項目
1.子どもは1日60分の運動を日常的に行っていますか?
答えが「いいえ」の場合は、米国疾病予防管理センター(CDC)が推奨する健康のために必要な運動量を満たしていないことをまず認識しましょう。
2.親自身が運動やスポーツを定期的に行っていますか?
活動的な親の子どもは、そうでない子どもよりも活動的である事が報告されています。親がロールモデルとなること、また子どもと一緒に楽しめるキャッチボールなどから始めてみてはいかがでしょうか。
3.家にボールや他の運動用具を散在させていますか?
子どもに遊ぶ道具を渡せば、多くの場合が自分のペースで遊び始めます。ボールとバットで遊ぶのに、野球チームに入る必要はありません。自由な遊びも運動です。
4.TV視聴やスマホ使用時間の制限と外で遊ぶ事の推奨をしていますか?
米国小児科学会は、TVやスマホなどのメディアに子供が接する時間に制限をかける事を推奨しています。1日1.5時間以上のスクリーンタイムは肥満のリスク要因である事が報告されています。
5.どのスポーツに興味があるか、子どもに聞いた事がありますか?
子どもが知っているスポーツは、せいぜい数えられる程です。その選択肢の中に興味を引くものが無いだけかもしれません。120種類ものスポーツ。子どもと一緒に、選択肢を探索してみましょう。
6.他の子どもとの比較がされにくいスポーツを検討しましたか?
ロッククライミングやスキー、格闘技などの個人競技は、自分のスペースが必要な子どもにとっては安心しやすい選択と言えます。
7.参加を考慮しているプログラムは、個人の上達に焦点を当てていますか?
運動に自信を持っていない子どもにとって、結果ではなく上達に焦点をおいたプログラムはより多くの恩恵があります。参加を考慮しているプログラムに、彼らのゴール聞いてみましょう。
8.レクリエーション役員としての活動を考えた事がありますか?
自分の子どもや、似た境遇にある子ども達が参加しやすいプログラムを自分で作るのも一つの手です。市のスポーツ課などに掛け合ってみてはいかがでしょうか。
9.学校でのより良い体育や休み時間を提唱・サポートしましたか?
これらの学校での時間は、すべての子どもに向けたものです。この質を向上することは、子どもの身体活動に大きな+の影響を与えることになります。体育の内容や休み時間に使える道具などを知っていますか?
10.低コストの、「まずはやってみよう」というスタイルのプログラムを探しましたか?
一年を通した練習や勝利至上主義のチームは、子どものスポーツへの関心を失わせます。短期間のプログラムや、複数スポーツを提供するプログラムを探してみましょう。
当てはまる数の評価
上記の10項目で、幾つが当てはまったでしょうか?下の評価を参考に、「いいえ」と答えた項目の改善ができるかを考えてみてはいかがでしょうか。
- 9-10=子どもにとって理想的な環境でスポーツをしている
- 6-8=しっかりとした基礎を押さえてある
- 3-5=もっとできる事がある
- 1-2=もっと為されるベき事がある
セミナー情報
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